アカギ 第7話 感想

アカギがヒーロー化しているのは以前も指摘したので
あまり多くは言わない。
親切な部分は辛うじて健在である。
が、すごいことを「どうすごいのか」
麻雀を知らない人にも分かりやすく表現するという
「親切」であり、ルールのレクチャーに関しては成りを潜めた印象がある。
それは雀ニックに期待か。
っていうかアイドル系女流雀士で強い人が
いるのに何で新キャラはあの人なんだろうか……
とはいえ、風評でしか知らないが(だから具体名も覚えてない)


実は筆者は天は読んだがこちらは未見なので
普通に感想を書かせて頂く。
ネタバレ注意。


市川はアカギの一つの側面を見抜いた。
それは「アカギには不条理な運が働いている」
という特性である。
まさか無いだろう、と「思う」位の事は
平気で成し遂げる程の強運。
この特性を持っている雀士は……実は沢山居る。
彼らは人間ではない、というのがヒントである。
そう、麻雀ゲームのAIである。
配牌の時点から、彼らは上がりを計算されている。
「コレ切っても大丈夫だろう」の裏を突くような配牌を、
計算によって行うのである。
しかし、コンピューターにはできない事がある。
それは、「自分がコンピューターである事を懸念して打つのを
逆手に取る」という戦略を立てることである。
コンピュータは常に絶対的な数値と幾つかの乱数の元で
ツモ牌を切り、主観を持つ事は無い。
心理戦が出来るコンピュータは、今のところ現実世界には存在しないのである。
ディープブルーも、計算によって名人に勝利したのである。
この主観をアカギは持っている。
何故なら、彼は人間だからである。
市川はアカギの異常性に触れすぎて、簡単な真実を見誤った。
アカギを、悪魔か何かの異質な知性体だと思ってしまったのだ。
どうせ理解できない事をするのだろう、と。
だが、人間であるアカギは市川の心理を理解した。
その戦略は大層なものだが、決して非人間的ではない。
組長は「アカギは技術力で勝ったのだ」と看破出来たではないか。
アカギは人間である。
アニメで幾ら超人的に演出されようともそれは変わらない。
自分の定義する「人間」らしくあろうとし、
そして、人間の「友」の思いに涙する。
だから、このアニメの副題で暗闇に舞い降りたのは
天使ではなく天才なのだ。