クラスターエッジ 第1話 感想


又聞きであるが、スケジュールが大変らしいこの作品。
……なるほど、確かに大変なんだなあ、と思わせる出来である。
止め画や回想の多さが話の退屈さに拍車をかけていて、
それによって「作画が悪いし、つまらない」という
感想が少なくない予感があるが、個人的には
「果たして舞-HiMEがこの作画レベルだったら
 現在の評価を確立しているのだろうか?」とも思う。
この作品は腐女子向け舞-HiMEとも揶揄されるとおり、
話の流れはほぼ完全に舞-HiMEのフォーマットを踏襲していると思われるのだ。
つまり、逆説的にアニメーションにとってのヴィジュアルの
重要性を証明する作品が、このクラスターエッジなのである。


ところで、美少女に的を絞った舞-HiMEと、美少年に的を絞ったクラスターエッジ
そして「全方位向け萌えアニメ」と揶揄される陰陽大戦記
比較して考えることによって、様々な特性や差異が浮かび上がってくると思う。
例えば、どこか一方のキャラクター属性に的を絞った前者二作と比べ、
陰陽大戦記は男女の関係性の豊かなバリエーションを描くことが可能だが、
それによってシーンごとのインパクトを効果的に演出できるようになる反面、
52話かけても舞-HiMEと似たようなラストバトルの決着になってしまった事など、
話の収集の付け方が大変になるというデメリットも存在する。
まあ、陰陽大戦記に限って言うとキャラクター志向も
整合性の無い本筋も「戦記」だから仕方が無いという逃げ道が用意されてはいるが。