創聖のアクエリオン 第19話 感想

アクエリオン*1


なんでいきなりこの作品の感想を言うのか。
それは、この回の感想を書いたはてなダイアリーを回って
ある思いを抱き、その思いを今、文章に表せば
そこそこのネタにはなるのではないかと思ったからである。
あまりに抽象的だが、今回感じたことを一言で表すと以下のようになる。


「皆騒いでるけど、今回そんなに凄かったかな?」


2chの某スレにも書いたが、今回の話の2chはてなダイアリーにおける
感想、レビューの内容は大きく二種に大別されると思う。


作画崩壊(否定派)*2
うつのみや理マンセー!!(肯定派)*3



まず、前者の意見であるが、陰陽大戦記の中村コンテ回を度々経験している
筆者にとって、今回を「作画崩壊」の一言で割り切ってしまうのは
少々ずれている、というのは容易に分かる。
ただそれは、多くの肯定派がいう「全くの的外れ」というわけでもない。
作画崩壊」をヤシガニガンドレスのような一般的な意味でなく、
「固定化されたデザインをわざと崩す」といううつのみや理の手法を言及したものと
解釈した場合、今回の評価として当を得る定義にはなる。
ただし、多くの否定的感想はどう考えてもうつのみや手法を批判する文脈で
作画崩壊」と言っているようには思えないのだがどうであろうか。


そして、うつのみや理の演出手法に対して肯定的な意見を持っているのが
後者の意見であるが、このスタンスの感想やレビューを見ていると
どうしてもうつのみや理の話しかしていないような気がしてならないのである。
「今回はうつのみや節バリバリで面白かった」
うつのみや理はこれこれこうである人で、その人が参加したから今回は面白かった」
なんかこんなんばっかりだと思うのだがどうか。
別に、感想なんだからどう書いたって良い。
感想に関して言及する筆者のほうが無礼なのである。
ただ、このように感想を分析した上で筆者が言いたいのは、
この状況は結局は
「今回はうつのみや理しか見るところが無かった」
ということを表しているのではないだろうか。
例えば話の内容的には重要な設定が明かされたり、
GEN司令無しで主人公たちが成長したという
全体のシナリオにおけるものすごいターニングポイントであるはずだが、
それについて言及している感想は殆ど存在しないように思える。
それはつまり、シナリオ、心理描写面での演出が完全に存在していなかった、
またはあまりにも底が浅かったという事ではないか。
感想には「絵が凄すぎて話の内容を殆どor全く覚えていない」
という意見も少なからず存在したが、それは要するに動画の演出に固執するあまり
視聴者にストーリーを伝達する労力を完全に放棄した回であったという事ではないのか。


そもそも何で筆者がこんなヒネた感想を書いているのかというと、
今回はネット上で大騒ぎしているほど筆者自身が
あまりノレなかったから(つまり筆者の単なる僻みと言っても良い)である。
前回の次回予告で「ああ、次はこういうノリなのね」と心の準備は出来ていた。
ただ、予告を見た限りでは
「外国丸投げ、あるいはスケジュールメタメタの作画を覆い隠す為にああするのか」
「あるいはカートゥーンのノリで動かしまくるためなのか」
このどちらかのスタンスを取るのか分からなかった為、今日は勝手に心の中で
「前者だったらガン×ソードは見ないで寝る、後者だったら見る」
と決めていたのであるが、結果は実際は後者のほうであったにも関わらず
ガンソードを見ず、寝ようとしても寝られなかったのでこんなものを書いているのである。
率直に言うなら、筆者は今回の話を、ひいてはうつのみや理の演出を
それほどまでに素晴らしいと思えなかったのである。
前提として言っておくと、筆者はうつのみや理を知らない。
御先祖様万々歳も見たことが無い*4
2chでも「クレしん」「メダロット」などの意見が挙がっていたが、
筆者もネットの感想を回るまではそういうノリのものだと認識していた。
そしてメダロットを想起したため、気合を入れてこういう絵柄にしたのにしては
無印メダロットのオープニングやタワラーマ戦等の演出と比べると
どうもなあ……と思ってしまったのである。
上記の例はキングゲイナーのドミネータ戦とかでも代用可能である。
あまりハジケてなければ、動画も凄まじいという訳でも無し。
何よりロボットアニメなのにロボットバトルに演出があまり反映されていない。
ただ漫然とこういう演出をしただけというように、少なくとも筆者は感じた。
つまりこの回に関する筆者の評価は、先の見所がうつのみや理だけというのを拡大し、
「今回はうつのみや理を持ってきて、その演出の為に他の多くを犠牲にしたが、
 結果としてうつのみや演出自体は話題性を集めたものの、
 その個性や魅力を充分に引き出し、なおかつアクエリオンの世界観に
 完璧に適合させるまでには至らなかった」
というものである。
少なくとも、うつのみや理を知らない筆者のようなオタクに
うつのみや演出の素晴らしさを伝えられるような出来ではなかったと思う。
つまり今回は、知っているオタクしか楽しめなかったのだと思うのだがどうであろうか。
筆者としては、前回の超3D無限拳の話の方が、より一般向けの面白さを
持っていたという側面で圧倒的に出来が良いと思ったのだが……。
みなさんはどう思われるでしょうか(苦しい〆)


補足。
小一時間ほど睡眠をとって、
筆者が今回の話について感じたモヤモヤしたものの正体が判明したので付記しておく。
アクエリオン程のハジケアニメならばうつのみや理の演出などギャグにすらならん!
 (実際「アクエリオンだからアレでも充分許せる」みたいな意見が多かったし)
 商業アニメ界の範疇で神の仕事をする人とかじゃなくてもっと変なの連れて来い!
 山村浩二アクエリオンとか!
 束芋アクエリオンとか!!
 ノルシュテインアクエリオンとか!!!

(筆者の乏しい知識から検索中)

*1:はてなダイアリーの検索に飛ぶ為の意味の無い一語

*2:追記:通常パートは異世界との落差をより強調するように、いつもの作画にするべきであった、という意見もこちらに分類する。何故かというと、この意見の多くはうつのみや氏が本来のデザインに近づけることをあえてしなかったのではなくスケジュール等の関係で「出来なかった」、つまり不慮の事故による崩壊ととれる論調だからである。

*3:追記:うつのみや理は知らないけどデフォルメされた絵や動きが楽しかったor面白かったという意見も、それしか書いていない感想であったなら、それはつまりうつのみや理ネタだけが前面に出すぎているという筆者の持論の証明である為にこちらに含む。

*4:余談だが、御先祖様〜でエロアニメ「御先祖賛江」を、天子のたまごで萌えアニメ「てんたま」を想起してしまうのは筆者だけだろうか?実は両作品とも見たこと無いのに……