アカギ 第2話 感想


これは原作の良さなのかも知れないが*1、麻雀を知らない人にも
入り込みやすくするという手法がとられた構成には感心する。
大三元をテーマにした第一話の試合の後、今回も三元牌を中心とした
読み合いシーンで場を盛り上げ、さらに大三元不成立という前回との対比になるような
演出を行っている。
この展開は、視聴者は麻雀が3つの組み合わせ×4と
2つの頭で役を作るゲームであること、
そして三元牌という役牌と、大三元という役が存在することだけ
知っていれば良い上に、更にその知識は作中で説明されるのである。


とはいえ、前回に比べて説明のナレーションが少し早口に、
かつ基礎の基礎の部分は端折って説明するようになり、
これは今後は初心者に対する親切さよりも麻雀のシステムを
知った上での対決に主軸が移って行く事が予想できるように演出されていて、
「これ以降は知っていないと楽しめないかも」という警告が
やんわりと下されているのである。


序盤の掴み、そして初心者に対する麻雀への招待、
その全てが演出と構成の手によって、ストーリーの中で表現されているのである。
筆者は、この親切さはあまりにも素晴らしいと思う。
それは、筆者自身が麻雀のルールを覚えてみようと思うまでに。
そう、筆者はこのアニメのお陰で
コーエーPSP版「麻雀大会」を買おうと思うようになったのである。


はったりの利いたヴィジュアル、そして親切で、尚且つ
その親切さが鼻に付かないストーリーテリング
題材が麻雀だし、福本漫画の中では
一二を争うほどにダーク*2な作品であるだけに、決して
「子どもに見せられる」
「子どもにお勧め」
「教育上よろしい」とは言えないが、
少なくともそういう声が近年良く上がっている
魔法少女リリカルなのは」などよりもずっと、
「夕方や休日朝に放送して、子どもが見たら絶対面白がってハマるアニメ」
であろうと、筆者は声を大にして言いたい。

*1:しかし、アカギは近代麻雀で、しかも「天」の副主人公を掘り下げるべく作られた漫画であるはずだが・・・・・・

*2:カイジから始まり銀と金に至るまで、実は福本漫画は主人公サイドの中に正義のヒーロー的な信念がかなり流れているというのは福本作品を読んだ事のある人なら分かっていただけると思う。 いやまあ、アカギもそうなんだけど